胃のバリウム検査後に生じる虫垂炎がある?

虫垂炎は救急外来で遭遇する頻度の高い疾患です.典型例の診断は容易ですが,非典型例では頭を悩ませることもありますよね.今回はバリウムによる消化管造影検査後に生じる虫垂炎,いわゆるバリウム虫垂炎について取り上げます.

虫垂炎は虫垂内腔の閉塞と,これより末梢の拡張から生じる粘膜障害,続発する炎症が原因となる疾患です.虫垂内には,虫垂石と呼ばれる糞便が石灰化したものが形成されることがあり,これは虫垂内腔の閉塞機転を示す直接の根拠として,虫垂炎の画像診断に重要です.
バリウム虫垂炎とは,バリウムを用いた消化管造影後にバリウムが虫垂内に残留しこれを閉塞,急性虫垂炎を引き起こす病態のことを言い,時にはバリウムを核とした虫垂石が形成されることもあります.
上部消化管造影検査(いわゆる胃のバリウム検査)や注腸造影のいずれも原因になり,検査終了直後から生じることがあります.症例を見てみましょう.

数日前に胃バリウム検査を受けた男性のCT画像です.
図Aで虫垂の近位部は虚脱していて特に異常はありませんが,図Bでは虫垂内にバリウムと思われる金属濃度(矢印)を認めます.図Cではそれより遠位の虫垂内にもやや吸収値の低いバリウムが貯留し,虫垂壁は肥厚して周囲脂肪織濃度が上昇しています.バリウム虫垂炎の所見です.バリウムは非常に吸収値が高く,CTでは図Bのように金属濃度を示し周囲にアーチファクトが認められることが特徴です.

まとめると

バリウムを用いた消化管造影検査の既往があり
CTで虫垂内に金属濃度(バリウム)を認め
バリウムの貯留部位より遠位に壁肥厚や脂肪織濃度上昇などの虫垂炎所見がある

時にはバリウム虫垂炎を考えましょう.

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