RSNA 2017 口頭発表を終えて

今年も行ってきました,RSNA.今年は CME 以外では初めて口頭発表を行いましたので雑感を投稿します.今年の RSNA の口頭発表で例年と違ったのは①事前のスライドアップロードが必須でなくなったこと,②発表時に発表者ツールが使えるようになったことです.

まず①についてですが,例年の RSNA では oral presentation でも開催の1ヶ月前くらいに演題をアップロードする必要があったようです.ところが今回はしきりに 「optional」 と強調されていました.僕はというと必須でないのなら,とついつい油断してアップロードし損ねてしまいました.事前アップロードのいい点は,会場の他多くの人に見てもらえる(あわよくば見てくれた人が口頭発表を聞きに来てくれる)ということかなと思います.一方で事前アップロードの悪い点としては論文化していない素材に関してネタをパクられる可能性がある,ということでしょうか.どちらでもいいとは思いますが,しきりに今年は 「optional」 の文言が強調されていました.通常,締め切り日は RSNA のサイトへのアクセスが集中するのでその対策なのでしょうか?真相は不明です.
ちなみに,発表用のプレゼンテーションは抄録登録・演題アップロード時と同じサイト(http://abstract.rsna.org)からできますが,「UPLOAD」ではなく,「AV」というボタンから行うのがちょっとした罠です.僕は直前にアップロードしようとして「AV」のボタンに気づかずかなり焦りました.

②はかなり大きいです.原稿を懐に忍ばせる必要がなくなりました.日本人は英語が苦手な人が多いと思うのですが,頑張って原稿を暗記していくくらいの英語レベルの人だと,「突然まっ白になってしまったらどうしよう」という不安はあると思います.発表者ツールが使えるので,アップロードするパワーポイントファイルのコメント欄に原稿を記入しておけば,不安がなくなります.
ただ,実際の発表の際にはこの発表者ツールに頼りすぎて,聴衆のリアクションをしっかりとみれなかったのが反省です.

演題をアップロードしたあとには Speaker ready room で正常に動作するか確認しましょう.例年どうだったかはわかりませんが,今年は East level 2 (Lakeside center の Arie Crown Theater の近く) E257 に Speaker ready room があります.ここで自分の RSNA ID とパスワードを入力し,自分のアップロードしたプレゼンテーションをクリックするとパワーポイントが開き,発表者ツールを開いて動作を確認できます.時間にもよると思いますが,そんなに混んでないので簡単なリハーサルもできます.

口頭発表の前には座長に挨拶しにいくのがよいと言われています.僕は挨拶しようとしたら前に発表する人が話し込んでいて挨拶できませんでした.早めに行くのがよいと思います.アジア系で英語がイマイチということが伝わると,座長も比較的気にしてくれてわかりやすい英語で話してくれます.
RSNA の口頭発表の会場は広く,150人くらいは入れる大きさだと思います.実際の聴衆の数は60人くらいだったでしょうか.日本での発表であればなんともない数ですが,やはり海外だと緊張も大きくなります.
自分の前の演者達は1人が中国人,2人が native speaker でかなり議論が盛り上がっていました.自分の番になると座長の一人が紹介をしてくれ,もう一人の座長が発表者のプレゼンテーションを画面に出してくれます.東京から来たとの紹介のあと, 「Welcome to Chicago!」と言ってもらえたのは地味に嬉しかったです.

さて,実際の発表になると発表者ツールのお陰もあり,時間ぴったりで話を終えることが出来ました.ただ上述した様に聴衆の反応をしっかり見る余裕がなかったのは悔いが残ります.口頭発表の持ち時間としては,発表が7分,質疑応答が3分の計10分間で進行していきます.時間にはかなり厳しい印象で,僕のあとに発表した中国人は10分間を発表だけで使い切り,問答無用で質疑応答なしで退出させられていました.座長もかなりイライラしていました.

質疑応答タイムは最も緊張する時間です.冒頭から超まっとうなご意見を頂いたのですが,「時間がなくてできませんでした」とも言えず,うまく説明することが出来なかったのでいきなり共同演者の先生に助けて頂きました.情けない...その後は座長達からいくつか質問とご意見を頂きました.座長も僕の英語力を分かってくれたので,かなり優しく話して頂き,研究についてもいくつかアドバイスを頂きました.情けないなと思う反面,発表してよかったと思った瞬間です.

全体としては相変わらずの英語力の低さのせいで十分満足のいく発表ではありませんでしたが,よい経験でした.座長から頂いたアドバイスを踏まえて論文化を進めたいと思います.CME の発表は Scientific papers も Education exhibits も両方経験があるのですが,海外で大勢に囲まれての発表とはまたひと味違いました.今後も頑張りたいと思います.

 

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