単純CTでPEを診断出来る?

医療者にとって非常に怖い疾患,PE/PTE (肺動脈塞栓症/肺動脈血栓塞栓症).
最近では肺動脈CTA(CT angiography, いわゆる PE scan)の感度が非常によいので,強く疑っている時に見逃すことは少ないと思います.ただし見逃しは疑っていない時にこそ生じるもの,他疾患を疑って撮影した単純CTでPEが描出されることはあるのでしょうか?

結論を言うと,単純CTでもPEが描出されることがあります.気を付けましょう.


このCTは呼吸苦で来院された高齢女性の単純CTです.心不全やその他の胸部疾患が疑われ,単純CTが撮影されました.どこが異常か,お分かりでしょうか?
右肺動脈内に高吸収域があることが分かります.単純CTで高吸収に描出されるのは血腫や血栓,石灰化,金属などがあります.石灰化や金属としては濃度が低く,右肺動脈内の血栓が疑われます.

肺動脈 CTA (いわゆる PE scan)を撮影すると,右肺動脈内に造影欠損域があり,PEと診断できます.

感度や特異度は調べてもわかりませんでしたが,AJR Am J Roentgenol. 2003 Jun;180(6):1661-4. には単純CTで検出した PE 6例が検討されています.文献中では①血栓形成からの時期,②ヘマトクリット値などが関連していると推測されています.①は血栓形成が進行して凝集が強まると血栓が高吸収化する,②は貧血だと血液の吸収値が低くなり血栓が相対的に高吸収化する,という機序だと思います.個人的な経験としては,ある程度大きな血栓でかつ中枢側の病変でないと検出は難しいと思います.

今後は単純CTでも肺動脈内に高吸収域がないかチェックする癖をつけましょう.

参考文献: Kanne JP, et al. AJR Am J Roentgenol. 2003 Jun;180(6):1661-4.

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