単純X線写真のサインは数多くありますが,最近では CT を撮影することが多いのであまり使用しない印象です.ただし、単純X線写真はこれからも頻繁に撮影される検査なので,その所見はしっかりと取れるようにしたいですね.今回は Pedicle sign / winking owl sign について取り上げます.
(absent) pedicle sign / winking owl sign は椎弓根破壊により脊椎単純X線写真で椎弓根が消失する所見のことで,そのまま椎弓根の消失 (pedicle が absent な sign) という命名のようです.別名の winking owl sign は椎弓根をフクロウの目にみたてて,椎弓根が見えなくなりウインクしているように見えるため,ということでこっちの方が素敵ですね(図1,2: https://radiopaedia.org/articles/winking-owl-sign-spineより引用).
骨転移がその原因として有名ですが,結核などの感染症で骨が破壊された場合でも生じます.
正常変異として椎弓根の低形成などがある際には椎弓根が見えにくくなることもあるようです.
左図: L4の右椎弓根が消失している.右図:フクロウのウインク
Case courtesy of Dr Roberto Schubert, <a href=”https://radiopaedia.org/”>Radiopaedia.org</a>. From the case <a href=”https://radiopaedia.org/cases/14694″>rID: 14694</a>
溶骨性転移にも骨硬化性転移にも使える用語なのかは分かりませんでしたが、一般には溶骨性転移によるものを呼ぶような気がします.元々は椎弓根部の破壊による所見なので,硬化性転移だろうがこの部分の破壊があれば使用してもいいのかもしれませんね.
脊椎の単純X線写真を撮影した時にはぜひ椎弓根を見て,pedicle sign / winking owl sign がないかチェックしてみてください.
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