目次
胃癌は①ヒダが太くなって,②癒合して,③潰瘍底に不整粘膜がある
胃潰瘍は①ヒダは細くて,②中心に局面がない.何より過去画像と比較!!
胃潰瘍瘢痕と胃癌の鑑別
ヒダの集中を見た時に最も注意しなくてはいけないのは胃癌ですよね.でも胃癌が発生してくる慢性胃炎は胃潰瘍も多く,胃潰瘍瘢痕との鑑別は重要と思われます.過去画像にすでに存在していれば潰瘍瘢痕で一発確定していいこともあるのですが,悩む時はありますよね.そんな時は
①ヒダが中心部に向かっていくにつれて太くなっていくか?
②ヒダの癒合がないか?
③中心部に不整な粘膜面(領域形成)はないか?
を考えましょう.胃癌の組織型や部位を考慮することも必要ですがあくまで原則なので,必ずしも当てはまるわけではないと思います.
二重造影臥位正面像です.胃体中部後壁小弯にヒダ集中像が認められます.ヒダは中心に向かうにつれてむしろ若干細まっていて,異常な癒合もありません.小弯側では若干評価しにくいですが,中心部に不整粘膜はなく領域形成はないと判断できます.
過去の画像もあったので比較してみると,同部位に胃粘膜集中像があり,胃潰瘍瘢痕と分かります.ただ,背景に慢性胃炎があることも多いので,やはり内視鏡の経過観察は必要になることが多いと思います.
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